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この連載の2回目「灯りとともに」と前々回の「息吹」のなかで一昨年の夏に小樽に旅したことに触れたけれど…その旅の一番の目的は、森山大道さんの写真展を観に行くこと、だった。2009年を皮切りに足かけ3年にわたり大がかりな 北海道巡回展をされていたのだ。

およそ30年前に、3ヶ月間札幌のアパートに住んで、道内のあちらこちらを毎日ひたすら写し歩かれていた森山さんの膨大な写真群を、それらの写真を写した場である北海道の広大な風土のなかで、ぜひ体感してみたい… 

2009年の春ごろから、ちょうど私自身の作品として、日々の路上スナップの写真を撮り続け始めていたこともあり、森山さんの偉業の足跡を追いながら自らを奮い立たせたくもあり。 そうはいっても、夏の北海道をまともに旅しようとすると、旅費も
ずいぶんかかるし、そんな余裕はないし…と、現実には諦めかけていたのだけれど、それでもやっぱり、どうしても観に行きたい気持ちが募り… 夕張会場の写真展は既に終了してしまっていたけれど、札幌と美唄の3会場の展覧会期終了ギリギリの9月末の日曜~月曜の一泊二日で往復の航空券とホテル一泊のついた格安ツアーをみつけて、往きは朝一番の飛行機、帰りも最終便の一つ前の飛行機で…という、かなりの強行軍で、ともかく行ってみたのだった。

ちょうどその頃ご主人の転勤で札幌に移り住んでいた旧友と連絡がとれて、着いた日のランチから札幌宮の森美術館での写真展まで、彼女と半日一緒に行動できることになり、美術館にもアクセスしやすい地下鉄円山公園駅の駅ビルで待ち合わせ。 早朝、東京の家を出るときに、ふと思い立ってリュックに放り込んできた、森山大道さんの「犬の記憶 終章」文庫版の「札幌」の章を、札幌に着いて
から、地下鉄のなかで読み始めた。森山さんが、札幌に滞在して写真を撮り歩こう…と思い立たれた当時の心境やきっかけ、そして19年後に再訪され、滞在当時のことを思い出されつつその時点でのあれこれをも執筆されているこの章を、それからさらに11年後に、その足跡のほんの一部でも辿ってみたいと思う私が、札幌の地下鉄に揺られながら、身の引き締まるような緊張感と昂揚とともに読み進めていると 「…翌日は快晴で暖かく、円山の動物園へ狼を見に行った。ぼくは札幌に来ると必ず狼に会いに行く。犬の記憶をどんどん遡行し辿っていくと、そのいちばんつき当たりに狼の群れた風景がぼくには見えるのだ。…」 という件にぶつかった。

 “…あ、そうだ!私も円山動物園に狼を見に行こう!!”と閃いて、気持ちが高鳴る。そうこうするうち円山公園駅に到着、地下通路を足早に歩いていたら、メトロプロムナードの壁面ギャラリーに目が釘づけになった。
 


遠吠えの狼の絵が、あったのだ。オオカミの毛の一筋一筋まで、ひたすらに、ひたむきに描き込まれたその絵からは、雪の舞い散るシンと鎮まり帰った真夜中に、本当に狼の遠吠えの声が聴こえてくるよう。 

 …ああ、狼に呼ばれている… 


絵の傍に作者の手がかりを探してみたけれど… その壁面ギャラリーに陳列されている他の作品については作者の名前やメールアドレス等が何かしら添えられていたのに、その絵だけは、何故か何のインフォメーションもなく… 旅先の通りすがりに擦過した詠み人知らずの一枚の絵、より一層、心に残った。

 

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幸い、久しぶりに再会した友人も、オオカミを見に動物園に行くことにも賛同してくれて、写真展を観終わったあと、札幌の初秋の夕方、円山動物園へ行ってみた。

森山さんの本のなかでは …よれよれに年老いた一頭のシベリア狼が、多少広めの檻のなかで、なんとなくオロオロと歩きまわっているばかりだった… とあったのだけれど、それから11年も経って、オオカミ舎は、観に来た人が安全に見学できる立派なガラス張りの施設に建て替わり、それなりに整備された放養場もあり、若々しい雄と、やや小柄な雌が、居た。

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2頭の狼は、檻のなかをぐるぐると足に周りながら、牙をむいて噛みつきあい唸りあっている。 …きっとじゃれているんだろう…と思いつつ、喧嘩のような迫力も感じられて… 意識的に狼に会いにくるのは初体験の私、だんだん怖くもなってくる。

 

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それでも、からだの大きな雄の狼が、鋭い目つきの中にも優しいまなざしを宿して雌をみつめているようで、ふと、なんだか愛おしくなってきた。

 

 

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翌年(2010年)は少し様子も掴めてきて、…札幌と小樽での森山さんの写真展を、やはり一泊二日でなんとかまわりたい…と、早割を使って、お盆休みもあけた8月下旬に旅の予定を立てた。 小樽の観光局のサイトから、たまたま、シーカヤックの情報をみつけて海好きの心を刺激され、…東京に居たらかえってわざわざシーカヤックのために出かけようとは思わないかも…と、1人でも参加できるショートツアーに申し込み、そのシーカヤックのサイトからリンクを辿って、小樽の北運河にある小さくてリーズナブルで心地よさそうな宿も運良くみつけられた。そうして、一日目は小樽、二日目の午前中シーカヤックを体験してからお昼のバスで札幌へ移動、また例の友人と円山公園の向こう側のバス停で待ち合わせをして、ランチのあと、今度は先に円山動物園に寄り、最後にまた森山さんの写真展を観て帰る、相変わらずの強行軍を敢行した。 前年に会いに行ったシンリンオオカミの「キナコ」と「ジェイ」に、どうしても、また会いたかったのだ。

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その夏は北海道も異例の暑さで、8月下旬でも、東京とさほど変わらないくらい。時間帯もまだ午後早いうちだったからか、狼たちは、暑さにやられて放養場の奥の日陰でグッタリしていた。しかも、2頭が3頭になっていた!!! 「キナコ」が出産していたのだ。初産だったらしく、しかも猛暑で…「キナコ」は皮膚がただれたように面変わりしていて、なんだか辛そう。

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「ジェイ」は家族を護る意識が芽生えているのか、暑いなかムックリとからだを起こし、妻と子どもを観客の視線から守るかのようにガラスの傍に走りよってきた。キリリと大人の貌になっていた。 新しく生まれた子狼は「ルーク」。からだつきはだいぶ大きくなっていたけど、まだ鼻筋がポッテリとしていて子どもの表情。 

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たった2回、会いにきただけなのに…しかも檻とガラス越しの人間都合の一方的な対面なのに…なんだか、狼の魔力にぐいぐいと惹き付けられる。 動物園で生まれ育つ飼いならされている狼ではあっても、目の中にやはり犬とはどこか違う光が宿る。野生の血が遠い記憶のなかで滾っているから、なのだろうか。。。



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一冊の本と、一枚の絵と、に導かれるようにして、2009年、2010年、狼に会いに行くことをもう一つの拠り所に、それぞれの短い旅を終え、帰ってきてから、ジャック・ロンドンの「白い牙」、翌年には「野生の呼び声」を、あらためて読んでみた。2009年の暮れには、たまたまとあるサイトから、ネイティブ・アメリカンのアート作品紹介のリンクに入ってあれこれ辿っているうちに、オオカミの写真のカレンダーにいきついて、そのなかでさらに心魅かれる写真のものを探していたら、なんと偶然にも、あの絵の「元」写真を発見してしまった!しかも私の誕生月がその写真に当たっていたので、さっそくその “WOLVES 2010” のカレンダーを購入し、2010年は仕事部屋で狼の写真に見守られて過ごした。

2011年は、森山大道さんの北海道巡回展もいよいよ<最終章>だったけれど、私自身の初個展の準備期間や会期と重なり、さらには大震災も起こり、その後なぜか作品発表の機会があれこれ続き、オタオタバタバタしているうちに、残念ながら北海道へ写真展を観に行く機会を見出せず… 楽しみにしていた狼たちとの3回目の逢瀬も、まだ果たせていないけれど。 今回この原稿を書くために 「キナコ」と「ジェイ」と「ルーク」は元気だろうか、と、あらためて円山動物園のサイトでシンリンオオカミを確認してみたら… なんと、去年の5月にはさらに双子が生まれていて、今では5頭で仲よく暮らしている模様。 次にまた彼等に会いに行けるときには、何頭もの狼が群れて彷徨う姿を見られるかも!!

今週末 2月19日 (日) 夜10時~ のNHK ETV特集「見狼記 ~幻想の獣王を探す」で、100年以上前に絶滅したとされるニホンオオカミについての番組が放映されるそう。  狼との関わりを通じて、人間にとって都合の良い
自然を搾取するばかりの自然とのつきあい方ではない、畏怖の念とともに自然を敬い親しんでいく術を、もう一度、太古の記憶から呼び覚まし学びなおしていく、ひとつのきっかけになるといいな、と、久しぶりにテレビを見るのが楽しみだ。
 

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前回の「息吹」に載せる写真を考えていたときに思い出した、一昨年の夏、防水タイプの「写ルンです」を初めて使って撮影してみた写真たち…合わせて3台のレンズ付きフィルムを、先月、同時に現像に出しました。小樽のシーカヤック体験の他にも、その年、小学生になったばかりの甥っ子を初めての夏の海遊びに連れていこう!と、伊東のファミリー滞在向けのホテルに泊まったときにも使ったのです。 海やプールで写したのはもちろんですが、ちょうどその季節は海から朝陽が昇るところをホテルの温泉から見られたので…たとえカメラがお湯を被ってもレンズが湯気で曇っても、これならどうなってもいいから、とにかく海から昇る朝陽を、温泉につかりながら写してみたい!…と、半ば実験気分で防水タイプの「写ルンです」を湯船に持ち込んで、何枚もシャッターを切りました。

現像からあがってきたのは…もちろんレンズについた飛沫や結露や光の乱反射で、くっきりハレーションの入った写真たち。露光してから現像もせずに一年半も放置していたネガからのサービス版のカラープリントでは、
発色も濁り、朝陽の眩しい明るさに、まわりはすっかり暗くトーンが落ちてしまっていて、あまり満足のいく結果ではなかったけれど。。。諦めきれずに、なかでもハレーションの綺麗に入ったカットをフィルム・スキャンしてみたら…サービスプリントでは出ていなかった美しい微妙なトーンも出てきました。

おもしろくなって、今度は、ふと思いついて、カラー・ネガをポジフィルムとしてスキャンしてみました。そうしたら、スキャナーのセンサーが感知するネガフィルムそのものの色合いが、意外におもしろいカラーバランスで出てきて、それを少しPhotoshopでいじっているうち、なんだか温泉のお湯のあたたかみに染まったような不思議なイメージに。



あらためて… 写真のネガとポジって、つくづくおもしろいなぁ♪♪ …と思っていた数日後のこと。年に10回ほど、スタジオ撮影や暗室作業を教えにいっている都内のとある高校の写真準備室の棚に、食指の動くステキな小物たちを発見! その日はたまたま、今年のボロ市散策で手に入れたタツノオトシゴのブローチを、何故か朝、ふと身につけて出てきていて… あら、これに呼ばれたのかしら、と妙に納得して、さっそくスナップ。

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この小物たちは、もう一人の写真の先生が撮影のモチーフ用に持って来られたものだとのこと、それらをちょっと拝借し、他にも準備室や暗室に転がっていたものたちを動員して、生徒に出す課題のフォトグラムの見本を作ってみたら、これまたおもしろくてハマってしまう。 今までも、もちろん授業用に何度かサンプル作っているのだけど…こんなにおもしろく感じられたのは、久しぶりのこと。こんなところでも、スナップ撮影と同様に、魅力的なモチーフとの、その日ならではの嗅覚と出会いが、やっぱり効いてくるんだなぁ。 

 

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最近、なかなか家を長時間あけられなくて、スナップ撮影にも集中して出かけにくく、ついついストレスが嵩じていたけれど…こんな風に、身近なところで思わぬ偶然に助けられ、その気になれば、いつでもどこでも写真を楽しむきっかけは転がっているんだ! と、あらためて、そのことを気づかせてくれたその日の導き、幸運に感謝しました。

写真は、物理的にも科学的にも、光学的にも、ポジとネガ、陰と陽とで成り立っているけれど… モノゴトの見方、発想のしかたも、知らず知らずのうちに、楽しみながら鍛えられているようです。 

 


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このフォトグラムを作った1週間後、また同じ学校の暗室実習に出かけ、一日の授業が終わった帰り道に、ちょっとくたびれて喫茶店で一服したくなり、その前に何か本か雑誌をお供に…と隣の本屋さんに入りました。ちょうど氣になっていた文庫本や雑誌の候補があったのですが、残念ながら、それらはそこには在庫が無く…手持ち無沙汰に書棚の間を歩いていたら、コミックスのコーナーで、岡野玲子さんの「陰陽師 玉手匣1」に目が留りました。「陰陽師」は、夢枕獏さんの原作も、岡野さんのコミックスも、どちらも今まで部分的につまみ読みしたことがある程度だったのですが… 昨年の4月末に、たまたまとあるイベントで岡野さんのお話を聴く機会があり、ちょうど昨年1月にこの「陰陽師」続編の連載が再開されたいきさつや、隔月の連載が始まったばかりのころに東日本大震災が起こり…その後に執筆を続けるかどうか、そのとき感じられていたことや東北の雄勝法印神楽との縁などを語られていたのが心のどこかに残っていて…この「陰陽師 玉手匣1」を買ってみる氣になりました。

読み始めてみると…なんだか一昨年の秋ごろからの私自身の、現実の日々の生活とはまた別のところでなにか運勢の不思議な流れを感じている、そのこととも重ねあわせて受け取れるサインをたくさん見出して、内心、とても驚きながら読み進みました。 

ふと、このタイトル「陰陽師(おんみょうじ)」も、気がつけば「陰」と「陽」だ、と陰陽五行思想に詳しい方からみれば、ごく当たり前のことに今更ながら思い至りました。巻末のダイジェストの解説には、陰陽道では常に方位である「空間」と日や歳や四季である「時間」は切り離さずに考え… 「空間」でいう「艮(うしとら)」は丑と寅の間である東北を指し、「時」の流れでは「陰」の氣の極まる丑と「陽」の氣の始まる寅の間、歳でいえば旧暦の12月の丑の月と新年の寅の月の間、四季では冬と春の間… とあり、まさに、このネガとポジのスキャンやフォトグラムを楽しんでいたのはつい先日の旧正月の前のころ、この原稿を掲載しようとしているのは、ちょうど大寒から立春に向かうとき… なんだか、不思議な符号に、ビックリしています。



現実には、冬の寒さの一番厳しい今ごろですが…立春を迎え、少しずつでも、復興の日々にも原発事故の収束にも、春の兆しが感じられますように。。。 
 

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暦のうえではそろそろ大寒… 東京でも、ずいぶん乾燥した寒い日が続いています。みなさま風邪などひかれてはいませんか?

家族のことで家にこもりがちの年末年始を過ごしていた私ですが、お正月のあれこれが一段落し、家のなかの空気もやや落ち着きを取り戻してきたおかげで、ようやく少しずつ外に出歩けるようになってきています。そんななか、これはどうしても逃したくない!と感じたのが、二木あいさんによる呼吸のワークショップのお知らせでした。



「呼吸をするように、ごく自然に写真を撮りつづけたい…」つね日頃、そう思っている私にとって、ときどき「林さんの写真って、酸素がいっぱい」「写真から空気が出ているみたい」と、思いがけない素敵な形容の感想をいただけることがあって、そんなときはどんな褒め言葉にも増して、とても嬉しく感じます。

…それには、きっと私の大切な節目が関係していて… 精神的にも肉体的にも深い疲れと闇を抱えて、そこから微かな一筋の希望の糸をたぐるように写真にのめり込み、一眼レフカメラの個人レッスンを受け始めたのが18年前の春、ちょうどその直前に舌癒着症の手術を受け、呼吸をするのが楽になり、全身の細胞に酸素がいき渡ってのびのびと生き返るリアルな体感を味わったのです。息を吹き返すとはまさにこのこと、生物としての再生であり、なにか成すべき使命をもった魂が生き返ったことを、強く実感したターニングポイントでもありました。ただただ、いま生きていられる喜びと、生かされていることへの深い感謝が、からだの奥底から尽きることなく湧きあがってきた、現在の私の原点となる体験でもあります。

 

昨年は…ようやく表現者としての扉を開いて一歩踏み出せた… さて、今年は? と思いめぐらしていたところへ、新年早々から、あらためて呼吸を意識する、とてもいい機会がめぐってきたことに心より感謝!! 新春セールでごった返す原宿の雑踏をかきわけて会場へと向かいました。

 

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二木あいさんは、2011年1月、メキシコのセノーテチキンハで、“洞窟の中を一息で行く”ギネス記録を、フィン有り・フィンなしの2種目で樹立され(フィンなしは、世界で初めての記録として認定)、現在は、水中での撮影・パフォーマンス・モデルをフリーダイビング=素潜りで行う世界でも数少ない水中表現家として活躍されている、とてもアクティブで素敵な女性です。 呼吸をコントロールすることの大切さを知り抜いている彼女が導いてくれるワークショップ、たっぷり1時間、ひたすら自分の「呼吸」に意識を向ける貴重な体験でした。

日ごろ、ほとんど無意識にしている呼吸だけれど…呼吸は生命活動を維持するための、とても大切なもの。でも、せわしない都会の生活では、とくに浅い呼吸になりがちで、本当は体内で不要になって吐き出した息を、また吸い込んでしまう悪循環に陥りやすいとか。溜め込んでしまった邪気を吐いて、清々しい良い氣を体内に採り入れるためにも、深い呼吸をできるように…と、口呼吸で肺いっぱいに空気を吸い込む練習から始まりました。肺を風船のように大きくふくらましていくようなイメージを描いて…まずは肺を下から上まで、お腹・横隔膜のあたり・胸、と3つに分けて、それぞれの部位ごとに、吸う息で自然に膨らませて、いっぱいになったら吐き出す。背骨はまっすぐ立てたまま、肩やあばら骨の力を抜いて…リラックスした正しい姿勢を保つのも、簡単なようで意外に難しい。

それができたら、その3つの部位をつなげて大きく深く息を吸って、吐くときには、まずタンギングのように“シュッ”と短く吐いて、いったん息を止めてから、ゆっくりと吐き出す。各自のリズムで、その1サイクルを12回続けます。 …苦しくなるほど一杯いっぱいに吸い込まない。吐くときも自然に息の出るのがとまるところまで、無理に吐き切ろうとしなくていい。途中、苦しくなったら、深呼吸を2回はさんで、また続ける… と、焦らないようにアドヴァイスもあり。なんだか子どもの頃、水泳の息つぎの練習をしていたときのことを思い出しながら、からだの自然なリズムに任せてみました。 

個人差はあるけれど、その12セットをするのに、だいたい4分~8分くらい、なのだとか。慣れてくれば、もっとゆっくり時間をかけてたっぷり息を吸えるようになるそうです。できれば、朝一番や夜寝る前の毎日の習慣にするといいですよ、と帰り際のメッセージもいただきました。

さっそく、起き出すのが寒くてちょっぴり辛い今の時期、ふとんの中でもぞもぞしているときにやってみたら、自然に血流がよくなって体も動かしやすくなり、脳もすっきり目覚めて、いい感じ! 元旦から始めた、晴れた日の午前の太陽光と向きあうひとときにも、この呼吸法を組み合わせてみています。 忙しさに紛らわさず、ほんの5分~10分あれば、太陽の光や呼吸に意識を向けるだけで、他になにもなくても、どこでもできる。今年は、私自身の光合成のような、このひとときを大事にしていこうと思います。

 


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ワークショップ会場の白い壁いっぱいに映し出されていた海のなかの映像も二木さんの作品で、海中の光のきらめきや、海藻が揺らぎ、亀や魚たちが泳ぐ様子を眺めながらの呼吸法…海が好き、シュノーケリングが好きな私には、とても心地よい体験でした。

その気持ちよさを皆様にもお伝えしたくって、なにか私も海の写真を…と思いめぐらしたら、ふと、一昨年の夏、なんと小樽でシーカヤック初体験をしたときに「写ルンです」の防水タイプで写真を撮ったまま、すっかり忘れていたことを思い出し…ほんとうは、こんなに放置しといちゃいけないんだけど、、、さっそく現像に出してみました。

何を写したんだったか殆ど覚えていないうえに、初めて使った
防水仕様の「写ルンです」、水中やカメラに容赦なく水のかかるような状況で、どんな風にどの程度写っているのか、想像もつかないことだらけ。撮ったものをその場ですぐ確認できるデジタルカメラの便利さにすっかり毒されていて、これまた忘れていた、フィルム現像があがってくるまでのドキドキ・ワクワクする感じを、久しぶりに味わいました!

出てきた写真は、、もちろん大半がピントが甘かったりブレブレだったりしていたけれど。偶然にも、小樽のシーカヤックの青の洞窟ツアーでの光景は、“洞窟の中を一息で行く”ギネス記録の保持者、二木あいさんに敬意を表すことにもつながるなぁ… そんなことを感じつつ、この写真を見ながら文章を書いていたら、また「そうだ!舌癒着症の手術を受けたあとに、ありありと感じた、気道がしっかり開いて空気がどっと肺に流れ込んでくる感触、まさにあの感覚なんだ…」と、リアルに甦ってきました。 我ながら、今この呼吸法を学んだタイミングで、このフィルムを現像してみようと思い立った、ふとした“憶い出し”インスピレーションの力に、驚いています。



二木あいさん、これからも呼吸のワークショップを行われるそうです。近いところでは、今月27日に、穴守稲荷の野菜を食べるカフェ「油揚げ」というお店でも予定されているとか。ご興味のある方は、ぜひこちらをご覧ください。ワークショップの後に、美味しい野菜のお料理を二木さんと一緒に食べるプランも!…もし参加されたい方は、念のため予約された方がいいみたいです…

その他にも彼女の素晴らしい活動の様子は…ギネス記録樹立のときの映像、水中表現家としてのプロモーションビデオ、ブログ Love Two Tree Production からも、ご覧いただけます。よかったらチェックなさってみてください! 

 

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美しい神獣の龍に守られた2012年が明けました。
皆様は、心のなかに住まう龍の意志を感じられたことはありますか?


昨年は、大地と海から、深く大きな地球のエネルギーが日本に押し寄せ、現代文明の便利さを当たり前のように享受している私たちが、ともすれば忘れそうになる、母なる地球の、自然の力の大きさを、いやというほど思い知らされた一年でした。

また原子力発電所の事故以前は殆ど意識もしていなかったけれど、大空に光り輝く太陽は、核融合反応によって莫大なエネルギーを生みだしているのだと、学び直しました。それが放射光と熱エネルギーとなって宇宙空間に放たれ、そのエネルギーのおかげで、私たち地球の全ての生命が生かされて育まれているのだと。 

そしてまた原子力発電と核爆弾の元となるウラン鉱石は、そんな太陽のような恒星の爆発したあとの欠片、そういう宇宙の塵のようなものが集まって地球となった、地球の成り立ちの過程で生じた鉱物なのだと知りました。あらためて太陽のすごさ、宇宙の神秘に気づかされた年でもありました。


広大な宇宙のなかで、太陽の発するエネルギーのもと、地球の豊かな自然の生態系のつながりのなかで、そのバランスがとれているからこそ私たちは生かされているのだと、そのことの有り難さと大切さを、しみじみと噛みしめて、新年、これからの日々を心して生きていきたい、と、想いをあらたにしています。



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正月4日、自宅で、この原稿を今年の初仕事として書いている私の現実は… 
初日の出を観に出かけられたわけでもなく、家の事情で年末年始はまったく自宅を離れられず、大掃除とおせち料理づくりと家族の世話に明け暮れていました。

気づいてみたら、三が日は家の敷地から外に出ていなかった!

そんななか、元旦、それなりにすっきり片づいた自室で目ざめると、午前の光が障子越しに明るく部屋をみたしていて…ハッと気づいて、東南に向いたベランダの窓をあけ放ち、心地よい外の空気の冷たさに身も心も引き締めつつ…太陽に向かって目を閉じて、胸の前で手を合わせてみました。瞼を閉じると、オレンジ色の暖かい太陽のエネルギーに全身を包み込まれるように感じられ、冬の朝の寒さもどこへやら。ポカポカとからだが温まり心も静まって明るく穏やかな気持ちで満たされていきます。その静かな歓喜を、起き抜けの自室で味わって以来…太陽光を浴びて瞑想をする…毎朝の大切なひとときとなりました。


また3日には、初めて手づくりしてみた「錦たまご」の盛りつけの飾りに使おうと、玄関先に出て南天を一枝切り、台所に戻りつつ南天の枝葉の左右対称の有り様の美しさにみとれていると、ふと、ちょっと変わった様相の葉っぱに目が留りました。

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枝が重なりあって繁っていたところだったか、そこだけ3枚の葉っぱが左右対称にならずに曲がり、下の葉の上に、もう一枚の葉っぱが重なって…その重なりの部分だけ、紅葉せずにクッキリと緑のまま… 自然の織りなす不思議と美事な色彩の艶やかさ!!

日ごろから、紅葉の落ち葉をみて、植物の光合成は写真に似ている…と思っているのですが、新年早々、まさにそんな葉っぱをみつけられて、家から出られなくても思いがけずこんな発見ができて、とても嬉しかったです。


そんな私が「photosynthesis(光合成)」と名づけている個人のブログにも
年の始めのご挨拶を載せています。よかったら、こちらもどうぞご覧ください。


Season's Greetings | photosynthesis*
http://michikophotogarden.seesaa.net/article/243880984.html


日々、いま居るところで、いま目の前のことに取り組みながら
そこで出逢う喜びを、丹念に撮りつづけていきたい。 

本年も、どうぞよろしくお願いいたします。

 

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先月半ば、『Lovegurumi』展示の終わった直後に、日ごろ参加しているデジタル写真の勉強会で、私自身の今年の活動報告を兼ねたスライドトークを行いました。人前で自分の写真作品について語るのは初めてのことで、何をお見せして、どんなことを話せばいいのか、あれこれ戸惑いながら準備をし…それまで趣味だった写真の世界により深く踏み入った転機の頃の作品を探していたとき、もう忘れかけていた旅の写真に出くわしました。

 

かれこれ13年前の今ごろ…会社を辞める決意を上司に伝え、次のステップへと写真の学校へ進むための書類等の手筈を整え…その頃ちょうど長めの休暇をとれた妹に誘われるまま、初めてのハワイへと旅立ったのでした。ホノルルの空港に着いたのは早朝、それからハワイ島へ向かう飛行機の乗り継ぎまでの空き時間に訪ねられるところとして向かったのが、地元の人が“ハナイアカマラマ(南十字星)”と呼ぶ「エマ王妃の夏の離宮」でした。詳しいいきさつは忘れてしまったけれど…たしか空港から、これまた初めてリムジン・タクシーに乗り込んで…辿り着いた“ハナイアカマラマ”は、ハワイ王朝の王妃の離宮にふさわしく、ハワイの自然とアロハの愛のスピリットにあふれた、とても可愛らしく心地よい空間でした。ちょうどクリスマス前のタイミングで、館内のあちらこちらに上品に豊かにクリスマスツリーやキャンドル等が飾られていて、異邦人の私たちも優しく暖かく迎え入れていただけているよう。旅はまだ始まったばかり、期待と不安の入りまじった緊張から、ホッと解き放たれて、とても嬉しく安らかな気持ちになったのを憶えています。

 

そこで美事なクリスマスの飾りを写真に収め…また空港へ…ハワイ島へ降り立って、最初の滞在はヒロの街はずれのB&B、庭には椰子の木が生い茂り、そのまま磯におりていけるロケーションの、心休まる宿でした。もちろんそこでも室内の様子や調度品や庭からの眺め等、あれこれ写真を写したのですが… 久しぶりの海外旅行の飛行機疲れか、どこかぼうっとしていたらしく、、、東京に帰ってきてからフィルムを現像に出してみたら、最初のフィルムは、何と多重露光になってしまっていました… どうやら二度、カメラに装填してしまった!?!

 

そんな訳で「エマ王妃の夏の離宮」の美事なクリスマスの飾りも、ヒロのB&Bでのまるでプライベートビーチのような憩いの眺めも、普通の写真としては見られなくなってしまって残念だったのですが…そのかわりに、写した私自身も想いもよらなかった何とも不思議な幻想的なイメージとなって姿を現してくれました。

 

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久しぶりに、突然この写真に対面し、その旅のあれこれを思い出したのはもちろんですが…それと同時に、重なりあったイメージの連想から、今年、2011年に内的に体験したとても大切なヴィジョンが2つ、ふっと浮かびあがってきました。

 

ひとつは、311の大震災の数日後、原発事故のショックのさなかに観た夢で。 …暗い夜に、大きな水辺のほとりに建っているウッドデッキのある建物の傍らに、何故か私一人佇んでいて。何かの役目に導かれるようにウッドデッキにあがると、そこには先客がいました。暗闇のなかにボウッと蛍光黄色に発光して輝いているとても美しい大きな蛇が、とぐろを巻いたまま鎌首をもたげ、哀しげな大きな濡れた黒い瞳で、じっと私をみつめた後、音も立てずにするすると目の前の大きな深い水の中に泳ぎ去って行きました… 

 

もうひとつは、今年の5月の半ばごろ、縁あって四国の箸蔵寺へ連れていっていただいたときのこと。 …弘法大師が金比羅大権現からご神託を授けられたと言い伝えられる山中の祠に導かれ、そこに入って瞑想をしたときに、閉じた瞼のむこう、祠の奥に広々とした空間が開けていくのがみえて、そこにはたくさんの灯明が、手前から奥の方まで点々と連なって炎を点してゆらめいていました…

 

これら2つの神聖な光を感じるヴィジョンは、東日本大震災を経て、何かが決定的に変わってしまったと感じる日々のなか、折り有るごとに、それぞれ個別に、私の心のなかで光を発してきていたのですが… 

 

なぜか震災直後から初めての個展を皮切りに作品発表の機会が次々と続いた今年の波も、ようやく一段落し、このようなタイミングでそんな機会に恵まれるというのは、それなりに意味のあってのことだろう、と… これから写真家として何を発信していくのかを強く意識し始めた、今このときに… 13年前に写真の世界に深く踏み込もうと覚悟を決めた、ハワイの旅でのダブルイメージの写真と、ちょうど再会したことで… この3つのイメージが、ふいっと結びつき、深いところでカチッとスイッチが入ったように感じられました。

 

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このブログも、おかげさまで、ぶじ10回目を掲載することができました。ここまでやって来られたのも、Sawawaのスタッフの方々や、読んでくださっている皆様に支えられてのこと…ほんとうに有り難うございます。

2011年は、東日本大震災はもとより、世界各地で、そして地球全体にも大きな影響を及ぼす、未曾有のできごとがたくさん続いた年でした。その不安と混乱のなかで、そしてこれから先も長くつづくであろう復興の道のりの途上で、私もまた深いところから揺り動かされ、今までにない経験を与えてくださった多くの人や森羅万象との出会いから、さまざまな学びの機会を与えられ、今こうして生かされて、表現の場を授けられていることに、深く深く感謝しております。

 

辰年の新年を迎えるにあたり、これから、写真とともにどんな大海に漕ぎ出ていくのか… どんなときにも、怖じ気づかずに、勇気をもって進んで行きたい… と、これから先の細やかな日々のできごとのひとつひとつも、楽しみにしています。

 

皆様も、今年はそれぞれに本当に大変な一年だったことと思います。来年は、愛に満ちた明るい年になりますように。

どうぞ佳いお年をお迎えください。



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まだ東京では冷え込みも穏やかだった11月下旬、長袖一枚に暖かめのストールを巻いて、ひんやりと心地よい晩秋の空気を味わいながら、近所のスナップ撮影に出ました。路上に見える景色にもだんだん枯れた色合いが多くなるなか、ポインセチアの鉢などが並び始めた花屋さんの店先はひときわ華やか。しばし花を眺めて楽しんだ後、立ち去ろうとして、ふと、そのなかでも燃えるような一角に目がとまりました。

よく見ると、釣り鐘型のちいさな花が寄り集まって咲いていました。ひとつひとつの花はとても小さく、咲き始めはやわらかなサーモンピンクで先き進むにしたがってどんどん紅色が濃くなっていくらしい…小さな花がたくさん集まり、株もまたたくさん集まり、いくつも鉢が並んで…その一角だけ、ほんとうに紅い炎が燃え立っているようでした。
 
花の名前は “Winter Fire” 。そろそろ冬の気配に身も心も冷えこみがちな時節柄…ふっと心のなかに明るく灯が点るような可憐さでした。

この花はエリカの園芸品種で冬咲きのもの、南アフリカ原産だそうです。冬咲きとはいえ寒風に小さな花を震わせながらじっと耐えている可憐な姿に、ふと東北の方たちの長い冬を辛抱強く持ちこたえる姿が重なって感じられ… 思いめぐらすと…被災され避難先や仮設住宅等で不自由な暮らしを余儀なくされている方たちは、この冬、どれほど厳しい寒さを味わわれていることでしょうか。。微力ながら…身も心も寄せあって、すこしでも心身ともに温まる日々をおくれますよう、心よりお祈りいたします。

いま東京で、自分一人の暮らしもなかなかままならないような状況の私が、現実的な支援に大きな力を発揮することは難しいけれど… せめて、折り有るごとに、そのときできるささやかな行動や祈りを捧げつづけ、月日とともに意識から薄れていってしまわないように、心がけていたいと思います。
 
**

こんな風にブログの原稿を書いて、一晩寝かせておいたら… ちょうどタイムリーに、Facebookでこんなプロジェクトをみつけました!

「ふんばろう東日本支援プロジェクト」
◎お知らせ:冬物家電を5000世帯に無料でお届けします
http://fumbaro.org/news/2011/12/5000.html
◎ハンドメイドプロジェクト
http://fumbaro.org/about/project/handmade/

私自身が直接、このプロジェクトの運営に携わっている方たちを存じ上げている訳ではないのですが、ぜひハンドメイドプロジェクトに参加してみたい!と、なんだか嬉しい気持ちになってきました。

たとえ一人一人の力は小さくても、志のある方が寄り集まって少しずつでも支援できることをしていけば…それがいずれは大きな温かなパワーになるのでは… この可憐な “Winter Fire” のように。
 
 

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3つ前のこのブログでもご案内した
『都筑アートプロジェクト2011 ニュータウン・ドリーミング〜遺跡とアート〜』
港北ニュータウンの中心部に位置する 大塚・歳勝土遺跡公園 と都筑民家園を舞台に、アーティストと市民との積極的な関わりによって生み出される地域連携のアートプロジェクトで、今年で6年目の開催になるのだそうです。

このプロジェクトの話を最初に聴いたときから、弥生~古墳~江戸の史跡の残る環境で、古代から現代そして未来へとつながる悠久の時の流れを背景に、参加するアーティストの皆さんはどんな活動を繰り広げられるのか…すごく関心を抱いていたのですが、参加作家の一人、今井紀彰さんの「私は縦穴式住居に金色のヘビを核燃料棒に見立てた発電所をつくりました。高台で気持ちのいいところです。ぜひ遊びにきてください。」というFacebookでの呼びかけに、さらに興味をそそられて、展覧会も始まって間もない平日の午後、さっそく訪ねてみました。

初めて訪ねた大塚・歳勝土遺跡公園、こんもりとした森に覆われた丘陵地帯で、まず入口がわからなくてずいぶん迷ってしまい、やや焦り気味だったのですが、やっと公園内に足を踏み入れると、平日の夕方とあって人影もまばらでとても静か。風が竹林や木々を揺らす葉ずれの音がさやさやと心地よく聴こえてきて、丘を登りながら古墳のまわりの作品たちをひとわたり眺め歩いていると、すうっと気持ちが落ち着いて…この丘全体から優しく見守られているような、とてもいい氣を感じました。

わくわくしながら、今井さんの作品『ひみつのちから・パワーステーション』の設置された竪穴式住居の入り口をくぐると…

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言葉も出ないほどの衝撃を受けました。

「…金色のヘビを核燃料棒に見立てた…」という言葉を受けて、紫外線をあてると蛍光の黄色~黄緑色に光って見える天然のウラン鉱石を連想し、なんとなく金色に光り輝く大きなヘビが屹立している様子を思い描いていたのですが… そんな勝手な私の想像はものの美事に裏切られ、復元された竪穴式住居の中央部に大きく吊り下げられた異様な作品に、すっかり度肝を抜かれながらも…
 
「金色のヘビはなぜこんなに小さいの? なぜ蛍光黄色ではなく青い光の明滅なの? このたくさんの弓矢は…?」 …と様々な疑問が頭のなかをぐるぐると駆けめぐり。。

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怖いものみたさで、オブジェの真下、真ん中に立ってみると、無数の弓矢が私に向かって鏃を向けていて…まるでその背後の暗闇に、弥生の人が大勢、弓を構えて引き絞り、取り囲んでいるかのよう… でも一つ一つの弓矢は竹でできていてなんだか愛らしく…恐いというより、古代の人の、得体の知れないものへの恐怖と本能的・反射的な威嚇のしぐさを…まざまざと感じます。

そのまま上を見上げると…もう視界いっぱいに青い光が明滅を繰り返し、その隙間から金色のヘビの入ったシリンダーが何本もぶら下がって、それがまた青い光に照らされて…強烈な視覚の刺激に思考がメルトスルーしていくよう。。。

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そんな作品体験にたじたじとし、ふと足元をみると、そこには、とてもさらさらとした細かな土が広がっていて…なんだか、太古の昔から今まで営々とつながる地球の営みの温もりに支えられ抱かれていることが一瞬のうちに直感されて、心底ホッとしました。

そしてようやく人心地ついてみると、この、青白く光り輝く発光体と金色のヘビとたくさんの弓矢…ある意味では不気味にも見える今井さんの作品も、竪穴式住居の柔らかい温もりの暗闇のなかで、妖しく美しく輝くシャンデリアのようでもあり。


…太古の昔から、人は、光り輝くもの、光を発するもの、に畏怖の念をいだきながらも強く惹き付けられ、それと同時に、その力を支配下におきたいという強い欲望にもかられてきたんだなぁ… 


ふと風の音を感じて外に出ると、ご本人が立っていて、作品のあまりのインパクトに、咄嗟に「凄いね~!!!」としか声がでなかった私。「弓矢が…」というと「あれは制御棒のつもりなんだ。ヘビが暴れだしたら射ち殺すんだ。」との言葉に、またビックリ。
たしかに私自身も作品の真ん中に立ったときに、威嚇されているのをひしひしと実感しましたが…それを原子力発電所の制御棒として構想したとは、やっぱり凄い。。。


***

家に帰っても、何度も思い返してしまうほど、この作品は私の心に強く残り…ご本人に感想を伝えるとともに、このブログに取り上げることへの許可もいただき、どうしてももう一度晴れた日に、作品を見に行きたい…と思っていたところ、とうとう最終日となった気持ちよい秋晴れの日の午後、あらためて訪ねていくことができました。

今度はもう道に迷うこともなく、爽やかな秋の光と風のなか、遺跡公園の竹林や木立のなかにあたかもずっとそこに自生していたかのような他のアーティストの作品たちをみつけて、心楽しく散策しながら、ドキドキしつつ竪穴式住居に近づいて行くと、最終日のお客様を迎えに今井さんご本人がいらしていて、ご挨拶もでき、あらためて入口をくぐり降りて、再び作品の前に立ちました。

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今回は、今井さんの言葉で作品についてのテキストも設置されていて、作品の制作意図を理解しやすくなっていました。 …ウラン鉱石は恒星(たとえば太陽)の寿命が尽きて大爆発したときにだけできるとても特別な鉱物なのね…地球は宇宙のさまざまな星のかけらが集まってできていて、死んだ太陽のカケラであるウランも地球の一部としてちりばめられていて…フムフム。。私も、ウラン鉱の眠る山を先住民の人たちは古くから聖なる山として崇めてきたこと、そんなウラン鉱山でいまは彼等が被爆しながらウラン採掘の仕事に従事させられていることは知っていましたが… 今井さんは、 原子力発電について〔人間が触れてはいけない神聖な存在の“死んだ太陽のカケラ” ウランを「太陽のゾンビ化」して電気を作り失敗しました。〕と捉え、〔私は「太古か未来の人々が神聖な存在としての『金色のヘビの死体』を集めて電気を作る発電所を使っていた」という物語を作り、インスタレーションにしました。〕と述べておられます。宇宙の成り立ちから今につながる、すごくハッとするお話で、私が疑問に思っていた、どうして金色のヘビが大蛇ではなく小さいヘビなのか、この青い光の明滅は何をあらわしているのか、おのずと答えが見えてきました。

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前回は、私も作品全体から受けるインパクトにただただ圧倒されて…弓矢の鏃が何でできているのかまで意識がまわらなかったのだけど…平べったく削られてキラキラ輝く鏃は、黒曜石にちがいない!!と確認できたし、ひとつひとつ、石を削って鏃をつくり、それを竹の矢にくくりつけ、弓を張っている、あるいはおもちゃのヘビに一匹ずつ色を塗っている、今井さんの手技のぬくもりと、きっとまるで原始の人のような制作中の姿を想像することもできて、怖さや異様さよりもずっと、愛嬌というかチャーミングな心温まる魅力も感じられてきました。

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この間は、靴を履いたまま立っただけだったオブジェの真下=竪穴式住居の真ん中の地面をよくみると、全体のなかでそこだけ窪んでいて…きっと弥生の人は、そこで火を焚いて煮炊きをし、その周りに座って食べていたんだろうな…とも想像できて、私も地面に座って裸足になり、立って大地を踏みしめ、歩いてみました。竪穴式住居の内縁周りは、足裏に冷やリと踏み固められた粘土質の土のように感じられたのに対し、きっと竃だっただろう真ん中の窪みのあたりの土は、さらさらと乾いていてとても粒子が細かく…長いことそこで火を焚いて、その熱ですっかり土が乾燥しきっているんだろうな…
長い歳月、ミミズや土中の微生物たちの生命活動の繰り返しのおかげで、土がものすごく細やかにこなれているんだろうな… などと想いが巡り、ほんとうに、弥生時代から今まで2000年余もの時空が繋がって、今ここに在るんだ、と実感できました。

青く冷ややかな光に見えている今井さんの作品も、この竪穴式住居のなかに原子力発電所を喩えることで、原始の“火” を畏怖のうちに抽象して捉えているんだろうな…

この作品が、この弥生時代の遺跡…竪穴式住居のやわらかな暗闇のなかにあることに、この温かな細やかな土の上にあることに、大きな救いと癒しを感じるとともに、いま、多くの日本人の心に根深く横たわっている原子力発電所への大きな不安をともなう興味関心を、こんなにシンプルに、美事に、つかみあげて、子どもにも伝わるようなお話をつくり、造形としてもチャーミングな形に具現化してみせられる、今井さんの発想力と構成力の凄さに、あらためて深く感動し、圧倒されました。


現実に還ると、たくさんの森や土や水が放射性物質に汚染されつづけていることに心が痛み、それこそ未来の子どもたち・人類の姿を思い描き… 一刻も早く除染が進むよう
心より祈りつつ…


福島原発事故後の、弥生の遺跡・竪穴式住居のなか、という、「いま」「ここに在る」べくして在る今井紀彰さんのこの『ひみつのちから・パワーステーション』、会期終了で撤収されてしまうという事実はとっても名残惜しく感じられたけれど…ご本人によると、まだまだバージョンアップして作り続けたい作品だとのこと。作品のコンセプトというか、物語がすごく大切で、できれば作品と一緒に、その物語を絵本にして置いておきたい、とも話しておられました。…だとしたら、今回のこの作品が撤去されてしまっても、これからまたこの都筑アートプロジェクトで物語が「つづく」… それをまた、観て体感して味わう楽しみも「つづく」… そうなったら、本当にうれしいな♪♪


今井さんの他にも、参加されているアーティストの方たちがそれぞれに、この素晴らしい弥生〜江戸の遺跡のある環境と土地のパワーに触発されて、ユニークな作品を展開され、またそこから新しい出会いや感動がつながっていく『都筑アートプロジェクト』。
これからの展開が、ますます楽しみです。



今井紀彰さんのホームページ
http://imainoriaki.sakura.ne.jp/index.html

今回の会期中に行われた「アートツアー」の様子を動画でご覧いただけます
http://www.youtube.com/watch?v=dTb6uvucTdc&feature=share

都筑アートプロジェクト
http://tminkaen.org/?page_id=235

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 先日来お伝えしている『Lovegurumi(ラブぐるみ)』展の会場でも、今回の写真作品集のために撮りおろした民子とワタルの写真の他に、日ごろの私の路上スナップの作品のなかから街角のカップルたちの姿を写した写真を数点、展示しているのですが… ちょうどこの会期中にリンクするかのように、この秋、両親が金婚式を迎え、先日、家族でお祝いの食事会に出かけました。

 ここのところ、展示がらみでバタバタしていて、なかなかゆっくり会話もできていなかったので、その日は大人しく、家から両親に付き従って予約したお店に向かいました。おかげさまで、二人とも今のところ大病もせず、元気で活動していてくれるので、とても有り難いのですが、普段はあまり意識してみることのない両親の後ろ姿に、やはりだいぶ老いを感じて、 ハッとしました。
 父はけっこうせっかちな質で、いまでも若い頃とあまり変わらぬ早足でスタスタ進み、おしゃべり好きな母は、父のペースについていくのがだんだんしんどくなっているらしく少し遅れてよろけそうになりながらも、父に話しかけようと後ろから横に膨らむように歩きます。歩道とはいえ、人通りの多いところでは対向者とぶつかりそうで危なっかしく、さらに後ろから自転車がチリ、チリ〜ン♪♪とベルを鳴らしてやってきたとき、とっさに父が横に出そうな母を後ろ手にかばいました。
 何気ないそんな一瞬の父の仕草に、日々の生活のなかでは些細な衝突こそしょっちゅうあれど面には表さない母への心配りが感じられ、なんだか50年の夫婦の歴史を垣間みたようで、胸に迫るものがありました。

 両親は、戦後の日本の高度経済成長を支え闘い抜いてきた世代で、父はまさに企業戦士として日夜を問わず働き続け、母はそんな父に放っておかれて淋しかったらしく、ちょうど私が多感な少女時代には、狭い社宅の中で毎晩のように夫婦喧嘩の口論をしているのが子供部屋の二段ベッドに寝ていた私にイヤでも聴こえてきていたので…どうも夫婦はいいものだと思えずに育ってしまった節があり… 大人になって家を離れてからも、たまに実家に顔を出すと、夫婦二人暮らしの緊張感から開放されてホッとするのか、また夫婦喧嘩が始まったり…と、私には両親の喧嘩ばかり記憶に残っているのですが… 結婚40周年の食事会のときには、母から「…共白髪まで仲よく生きていられるかしら…」という言葉が飛び出して、日ごろ喧嘩ばかりしてるのにそんなことを思っているのか、とビックリしたことや… 今から数年前、妹夫婦に子どもが生まれた後、久しぶりの家族旅行で、夏の避暑地のゆるやかな登り坂の並木道を二人寄り添って歩いている後ろ姿をみたときに、両親に対して初めて「夫婦って、いいもんだなぁ」と感じたことを憶い出しました。

 死別や離別で分かれてしまう人も多いなか、結婚50年…私が生まれてから今日までの歳月よりもながく、赤の他人だった二人が共に生きていくということは、すごいことだな…。喧嘩を通じて日ごろ口にしにくいお互いの本音をぶつけあい、徐々に自分と違う相手を受け容れ理解しあって、幾多の波を乗りこえ信頼関係を築いてきたのだとすれば、喧嘩もあながち悪いことばかりでもないのかな。喧嘩になる前に、もっとスムーズにコミュニケーションとれるに越したことはないのでしょうけど、人生の荒波のなか、ストレスの多いときにはなかなかそこまで余力がなかったり、小さな歪が積もり積もって、自分でも思わぬかたちで爆発してしまうこともあるのかもしれません。それでも、底に流れる相手への大きな愛情や思いやりがあってこそ、そしてお互いに、自分が気づきにくいところで支えてくれている相手に対して深い感謝の気持ちを持ち続けられてこそ、の50年なんだろうな、と、漠然とながら、しみじみと感じました。

 だいぶ遅くなってから写真を始め、30代半ばで体調を崩して会社勤めを辞めても写真は辞められなかった私…いままでは、そんな写真で何かを成さないことには自分で自分を許せないような思い込みがどこかにあったようなのですが、今春の初個展以来、次々に写真の作品を発表する機会に恵まれ、ようやく自分の自己満足だけでなく、小さくても世間の大海のなかに一石を投じられるようになった、と手応えを感じられつつある今、ちょうどこれで一区切り、というタイミングで「ラブぐるみ」というカップルの写真展をやっているのも何だか不思議な巡りあわせに思えてきて。…そろそろ、お互いの今まで生きて来た道を理解しあい、これからの道を支えあい励ましあって共に生きていける、そんな後半生の伴侶とめぐり逢って関係を築いていけるときが来た、というサインなのかな。

 今からでは、金婚式を迎えるより先に命が尽きてしまいそうだけど…せめて、両親の年齢になるころには仲よく銀婚式が迎えられるような…そんな夢をともに思い描ける方と出逢え、愛を育んでいけるといいな。

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いよいよ10月16日より始まった『Lovegurumi(ラブぐるみ)』展、独特のふしぎな魅力を放つ佐野純子さんの人形の世界と、身長40cmほどの人形を、実写であたかも人間の等身大と同じに見えるようなスケール感でとらえた私の写真と…自分で言うのも何ですが、なかなか楽しいコラボレーション空間になっているようです。

写真作品集と展示の様子などは、順次、新しい記事をアップして行く予定の、こちらを見ていただくとして…
http://michikophotogarden.seesaa.net/category/10935140-1.html

会期中の10月28日には、佐野純子さんによるワークショップ「ボールペン人形を作ろう」も開催されます。こちらは、あらかじめ用意されたボールペン人形のベースになるボデイに、洋服や帽子やアクセサリー等をつくって着せて顔を描いて…というもの。この世に一つだけの、オリジナルのボールペン人形ができあがります!

写真のボールペン人形は、この夏の暑い盛りに『Lovegurumi』の撮影に励んでいた私に、佐野さんがプレゼントしてくださったもの。私をイメージして作ってくださったそうで、洋服や好んで被っている麦わら帽子の色合いはもちろん、長いストレートの黒髪まで、工夫していただいたと伺いました。後日、気がついたら、他のボールペン人形の髪の毛は、色は様々だけれど、みんなフェイクファーで作られていました…さすが、細かいところまで手を抜かずセンスよく仕上げられる佐野さんならでは!とっても愛らしい思いがけないプレゼント、ほんとうに嬉しかったです。

よかったら、こんな素敵な佐野さんのご指導のもと、ボールペン人形を作りにいらっしゃいませんか?

◎『Lovegurumi』発売記念ワークショップ「ボールペン人形を作ろう」
 講師:  佐野純子
♥受講費 3,000円(材料費/税込み)  ♥要予約/定員8名
♥とき  10月28日(金)18:00〜20:00
♥ところ オーガニックフード&和カフェ 美味一服 めぐり
     東京都台東区上野1-20-11 鈴乃屋本店 2階(上野松坂屋向かい)
     tel:03-3834-5154 http://www.holoholo.co.jp/
※カフェのため、一品オーダーをお願いいたします。
※18時前にご来店いただき、お食事をとっていただくこともできます。食べ物の持ち込みはご遠慮ください。 
※めぐり特製弁当1,000円(お持ち帰り可)のご用意もあります。(要予約)
♥お申し込み・お問い合わせ
     お名前、人数、連絡先(電話)を明記のうえ、メールでハオ編集部まで
     hao★mail.office.to(申し込み締切 10月25日)  
       ※★を@に変えて送信してください


***

今回の展覧会には、もうひとつ目玉があります。
創り手とお客様との心地よい空間になれば…とお店の壁面をギャラリーとして作家の創作活動の発表の場にしてくださっている「めぐり」では、大きな窓にキットパスでガラス絵を描くウィンドウギャラリーのスペースもあり、今回は、そこに佐野純子さんが『Lovegurumi』民子とワタルの大きなイラストも描かれています。

展示設営の前、佐野さんがガラス絵を描きに来られる日に、私とYさんも打ち合わせを兼ねて集合し、佐野さんの描くステキな下絵に “ぬり絵隊” として腕をふるいました。無心になってガラスに色を重ねていくのは、なんだかとても楽しくって “ぬり絵隊” にも熱が入り…終わったときには、自分で塗り絵したワタルにすっかり惚れ込んでしまった私♡

そうしたら、展覧会の初日にたまたま遊びに来てくれた甥っ子が、スケールの大きいガラス絵に大いに刺激されたらしく「僕も描きたい!!」と言い出して… 「描いてある絵を消さないでね。空いてるとこなら自由に描いていいよ」といったら大喜び。出された条件も、遊びをおもしろくするルールになるらしく、どんどんぐいぐい、隙間をいかしたイタズラ描きに没頭していました。絵だけじゃなくって言葉や数字も書き込んでいて…小2の男の子らしく、乱暴な言葉も書き散らしてあったのですが、よく見ると「hao」を片手のワタルのところには「えらいね。」「ニーハオ」。子どもだからこそ、絵に描かれたキャラクターの性格まで敏感に感じとっているのかな…と、なんだか感心してしまいました。

今回は、この春ハウスクエア横浜でやったような「キットパスでガラスにお絵かき」ワークショップではないから、まさか、こんな風に、見に来てくれた人が参加してくれる展開になるとは思っていなかったのですが… 展示している私たち創り手側も、佐野さんの下絵に、Yさんと私で塗り絵して、最後にMさんが「hao」の表紙を描き込む等、「ラブぐるみ」スタッフ全員の手の入ったガラス絵に、たまたま甥っ子まで参加してくれて、さらに新たな命が吹き込まれたような氣がしました。

甥っ子のイタズラ描きは、ほとんど消してしまったけれど、「和カフェ」の文字でかくれんぼや滑り台をして遊んでいる小人さんが、ちらっと見え隠れしているかも・・・

よかったら「めぐり」の窓際の席に、小人さんを見つけにいらしてみてくださいね!

めぐり Window Gallery
http://meguriwindowgallery.com/

 

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写真を観ていただきに訪ねたブックギャラリーでの出会いから、とんとん話が転がり…
この春より、手芸作家・佐野純子さんの作る編みぐるみのカップル人形を私が撮影し、
手芸のミニコミ誌「hao」の編集Mさんと、「hao」の流通卸売を手がけるリコシェの
Yさんと、4人それぞれの持ち味を出し合い協力しあって、手づくりの写真作品集
「Lovegurumi(ラブぐるみ)」を限定部数で制作し販売する…という、ラブぐるみ
プロジェクトを進めていましたが… 
いよいよ、10月15日に発売! …というところまで漕ぎつけました。

人形の名前は 民子 と ワタル。産みの親である佐野さんの頭のなかには、二人の性格や
嗜好、プロフィールがしっかり想い描かれていて…シーン毎の衣装も小道具も、それは
それは細やかにセンスよく編みあげられ…撮影で着せ替えするごとにビックリ!!

しかも、目はフェルトにシンプルな刺繍を施しただけなのに、ちょっとしたアングルや
二人の微妙な距離のとり方などで、民子とワタルそれぞれの心のうちを、ものすごく雄
弁に語ってくれて…写している私自身が微妙な恋心の綾にふれて赤面してしまうほど。
さらに、そんな二人の心のうちを、佐野さんが絶妙なセリフに書き起こしてくださって
なんともユニークなラブストーリー写真絵本のような仕上がりです。

本の仕様や体裁については、いろんなアイディアや手法を検討した結果…今回は、写真
ページを、デジタルの版画制作などに用いられる高精細なジクレープリントで出力し、
文字ページは、写真の保存性も考慮して、竹パルプを使用したナチュラルな風合いの中
性紙を用い、可愛らしい小ぶりのスケッチブックのようなリング製本にしてみました。
20部限定で、価格も10,500円(税込)と、普通の本として考えると、かなり高価なも
のですが…希少な作品と捉えていただければ、お安いぐらいかも?

一般の書店には残念ながら流通しませんが、この発売のタイミングに合わせ、発売記念
展示会を行います。美味しいオーガニックフードやスイーツをいただける上野の和カ
フェ「めぐり」にて、この限定本「Lovegurumi」をお手にとってご覧いただけます。
よろしかったら、上野散策のついでに、ぜひ遊びにいらしてみてください♪♪

『Lovegurumi』
編みぐるみのカップル「Lovegurumi(ラブぐるみ)」の
ちょっぴり不思議で妙にリアルな恋愛模様を綴った写真作品集
♥定価 10,500円(本体10,000円+税) ♥サイズ 171mm×234mm 28面
♥購入方法 直販のみ 『ハオ』ウェブサイトをご覧の上、お申し込みください 
 http://www016.upp.so-net.ne.jp/hao/(2011年10月15日より)

♥お問い合わせ E-mail hao★mail.office.to(ハオ編集部)
             ※★を@に変えて送信してください
♥ 著者 人形:佐野純子/写真:林 道子
♥発行・ 企画 「ラブぐるみ」制作委員会
 佐野純子・林道子・mizukiri-ishi(リコシェ出版班)・ハオ編集部

◎『Lovegurumi』発売記念展示会
作品集の発売を記念して、ラブぐるみ人形と写真の展示会を行います。
会場で作品集をお買い上げの方にもれなく、ハートのニットマスコットがついた
特製ボールペンをプレゼント。ぜひこの機会にお求めください!
♥とき 2011年10月16日(日)~11月6日(日)  
    10:00~20:00(最終日は19:00まで)
♥ところ オーガニックフード&和カフェ 美味一服 めぐり
     東京都台東区上野1-20-11 鈴乃屋本店 2階(上野松坂屋向かい)
     tel:03-3834-5154 http://www.holoholo.co.jp/

◎発売記念パーティ(めぐりにて/要予約)
「ラブぐるみ」特製ランチとともに展示をお楽しみください。著者も在廊しています。
♥とき 10月22日(土) 11:00~13:30
♥会費 お一人様2,500円(ランチ、デザート付/税込)
♥お申し込み・お問い合わせ
  お名前・人数・連絡先(電話番号)を明記の上、メールでハオ編集部まで
  hao★mail.office.to(申し込み締切:10月15日まで)
   ※★を@に変えて送信してください

パーティは事前にご予約いただければ、どなたでもご参加いただけます。
手芸や写真に興味のある方、この機会に「めぐり」の美味しいオーガニック特製ランチ
を食べてみたいと思われた方、ぜひぜひお気軽にいらしてください!!

なお、会期中の10月28日(金)18時~20時、佐野純子さんによるワークショップ
「ボールペン人形を作ろう」も行われます(要予約/定員8名)。会費は3,000円(
材料費・税込み)。詳細は、上記のハオ編集部までメールでお問い合わせいただくか
または、次回のこの欄をどうぞお楽しみに !!


***


去年の今ごろは…今年の4月に蒼穹舎で初個展を行うことのみが決まっていて…あとは
大きな予定もなく、個展そのものもどうなることやら、やや心もとない心境でしたが…

年が明けて、個展の準備をし始めた頃から、ひょんなご縁で、この「Lovegurumi」企
画も、ハウスクエア横浜で初の二人展とアートイベントを5月末~6月半ばに実施する
ことも、決まり…さらに大震災から間もない3月の末には、このブログ連載のお話もい
ただいて…なにかと不安になりがちな心のなかに、新たな希望の灯が点るように嬉しか
ったものです。そして迎えた4月の初個展の後は、余韻をしっかり味わう暇もないほど
あれよあれよという間に怒濤のように月日が過ぎ…ふと我に帰ると、季節はもう秋。

あらためて、今年ここまでやり続けてこられたのは、関わってくださった方々の温かい
ご支援があったからこそ…と、ほんとうに、心より感謝しています。

初夏のハウスクエア横浜での二人展も…もとはといえば、年明けに、そこで新旧二人の
知人がやっていたアート・ワークショップに遊びにいったことがきっかけでした。

そのお二人…タムラタクミさんと今井紀彰さんも、この秋、横浜の弥生時代の遺跡が残
る公園で、ユニークなアート活動をされるそうです。悠久の時の流れを感じられる環境
で、お二人がどんな作品を展開されるのか…今から楽しみ。

●都筑アートプロジェクト 2011「ニュータウン・ドリーミング ー遺跡とアートー」
日時:10月17日(月)~11月4日(金) 9:00~17:00 雨天決行・入場無料
場所:大塚歳勝土遺跡公園/横浜市歴史博物館/都筑民家園
http://tsuzukiartproject.org/


また、今井さんは、ハウスクエア横浜でもアート・ワークショップを行われます。
上手い、下手、なんて関係なく、身近な素材を活かして、どんな人でもアートの楽しさ
や喜びを感じられる…子どもも大人も無心になって遊べるプログラムだと思います!

●都筑アートプロジェクトメンバー 今井紀彰の「芸術大サーカス」
10月8日(土)、9日(日)11:00~16:00
定員:各日先着30名様
参加費:無料~200円
http://www.housquare.co.jp/whatsnew/event.php?ID=803


同じ時期に、ハウスクエア横浜で作品展をされる川口朋美さんは、私の二人展のときの
イベント「キットパスでガラスにお絵かきしよう」をお手伝いに来てくださり、子ども
たちと一緒になって、とっても心温まる愛のある絵をたくさん描いてくださった方。
今回が初めての作品展なんだそうです。

●short stories - 川口朋美作品展
10月8日(土)~23日(日)10:00~18:00
http://www.housquare.co.jp/whatsnew/event.php?ID=804


タムラさんも、今井さんも、川口さんも、それぞれに、キラキラ・ワクワク・ほのぼの
するような、独自の世界観を提示してくださることでしょう!!


ころはちょうど芸術の秋、もしも、少しでも心がうずうず動いたら…ぜひ、上野へも、
横浜へも、足をお運びくださいね。一人でも多くの方と、表現すること=生きることの
喜びを、分かちあえたら嬉しいです♪♪

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